Reviews
「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
この物語の
を、あなたと感じたい─-
「ようこそ実力至上主義の教室へ 1期」 感想と考察
ようこそ実力至上主義の教室へ 実力至上主義を掲げる学校のシステムの中でエリートたちのプライドと勝者への渇望が激しくも緻密に時に醜くぶつかり合う物語。 各話サブタイトルがサルトルやルソーといった哲学者の言葉をそのまま取ったもので、その内容と共に教養的なセンスを感じ、その言葉言葉も酷く現実的だったり無情…
「ひぐらしのなく頃に」「ウィッチクラフトワークス」「放課後のプレアデス」感想と考察
ひぐらしのなく頃に 今秋から放送開始した「ひぐらしのなく頃に(新)」がリメイクでなく新ルート「ひぐらしのなく頃に 業」と分かり、どうやら過去作を履修しておく必要がありそうだったので無印と解を見た。 ジャンルとしてはホラーサスペンスといったところなのだろうが、この作品では序盤がホラーが前面にあって、徐…
©GAINAX/放課後のプレアデス製作委員会「鬼滅の刃 無限列車編」 感想と考察
良くも悪くも手に汗を握らされる展開 下弦の壱の鬼のギミックを念入りに張り巡らせた戦闘は、あっけなく事果てたかと思ったら想像を越えていく戦い方を仕組んでいて、悪い意味でドキドキさせられつつもそれが楽しかった。 そういう意味では、無限列車編が無限列車だけで終わらなかった展開も想像と期待を越えていくもので…
「熱帯魚は雪に焦がれる 7巻」感想と考察
すれ違っていた小夏と小雪の間の溝が解消できたのが嬉しくもあり、またそのわだかまりの裏にあった2人が互いに互いを大切に想う気持ちや2人が抱える寂しさの重さに思わず涙ぐんでしまった。寂しさを埋めてくれた優しさや安心へ募る想いはこんなにも、まるで恋心のように2人をいじらしく切ないものにしてしまうのかと思っ…
© 萩埜まこと/KADOKAWA「劇場版ヴァイエヴァ」─少佐と彼女の心の扉─ 感想と考察
舞台挨拶で監督が言っていたように、この映画はとても丁寧で緻密な作品で何回見ても新しい発見と感想があった。ここではそれらの考察?のような感想とはちょっと違う雑感を纏める。 この記事を書いた時点で3回この作品を見ているが、シリーズの積み重ねを経た上でのサプライズ的な展開が感動の増幅装置の1つでもあるので…
「劇場版ヴァイエヴァ」─描き、語る映像美─ 感想と考察
描き語るアニメ 今作で一番京アニすごい!というかもはや感服した部分に、絵によって描き出されるキャラクターの内なる心情があった。これを感じた場面はいくつかあったが、とりわけこれを感じたのはヴァイオレットとホッジンズがギルベルトの家に押しかけた場面だった。ここでギルベルトは会いたいというヴァイオレットを…
「ささやくように恋を唄う 3巻」感想と考察
1巻から始まって、2巻を経て、遂に3巻でひまりと依のすれ違っていた一目惚れが叶ったことにとにかくほっとした。特にひまりからの恋愛感情のなかった一目惚れを向けられていた依の心境を思うと、ひまりが好きになろうとしてくれることは分かっていながらも気が気でなかっただろうと思うし、依の心が擦り切れるような日々…
©竹嶋えく/ICHIJINSHA「Fate/Zero」─残酷な騎士道と正義─ 感想と考察
聖杯戦争のことしか頭にないような人間ばかりの身内の争いのようでもあったFate/stay nightとは違って、Fate/Zeroは時計塔からの参戦者もいることで魔術師の世界の広大さを窺い知れたり、また現代兵器を用いた戦闘といった表の世界と裏の魔術の世界の交わりや、過去の英霊が現代世界に融け込むよう…
©Nitroplus/TYPE-MOON・ufotable・FZPC「Fate/stay night Heaven's Feel」─正義と悪は誰にあるのか─ 感想と考察
善悪の所在 衛宮士郎は結果もたらされるものを以てして悪と判定するが、言峰綺礼は悪であれ元は善にも悪にも染まっておらず、悪でなれば周囲の環境にそうさせた責があると言う。人々が正しくありたいと悪を自らから排除して押し付けた産物であるアンリマユのことを考えると、この世全ての悪を背負った神は正しくありたいと…
©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC「聲の形」─他者理解の意味─ 感想と考察
他者理解 小学生だった将也たちには最初から悪意があったわけではないと思う。コミュニケーションが円滑に取れない人間にどうしたらいいのか、そもそも聴覚障害が何なのか小学生にはよく分からないだろうし、戸惑いしかないのだろうと思う。 聴覚障害のある人が自分の身近にいたことがないから分からないけれど、たぶん外…