Reviews
「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
この物語の
を、あなたと感じたい─-
「劇場版 輪るピングドラム 後編」─本当の自分は関係性の中にいる─ 感想と考察
この世は求められるか、求められないか 彼らの目には自分は世界から必要とされていないように映っていた。それはすなわち社会的認知死んだも同じ。だから、ふと自分を求めてくれる人が現れると、彼らの内面世界はただその一人へと収束していく。自分すら呪った自分を愛してくれる。だから、自分を見つけてくれたその人のた…
「デリシャスパーティープリキュア 18話」─贖罪と優しさのキュアフィナーレ─ 感想と考察
「わたし、パフェになりたい!輝け!キュアフィナーレ!」 みんなを笑顔にしたいと思ってきたのに、ジェントルーとしてみんなをキズつけてしまった。本当は優しいからこそ過去の自分を許すことができないあまねの葛藤は、きっと自分自身を直視できないような辛さがあって、見ているだけで痛切だった。 ウバウゾーから助け…
「PSYCHO-PASS 1期」─自分を生きる責任─ 感想と考察
平和で穏やかな日常や最適化された生活という普段の努力なしには手にできないものを当たり前の産物だと思い込んだ社会、それはシビュラシステムという神に与えられものであり、決して人類の社会ではない。 何が必要で、何が不要なのか。自分が何を成せばいいのか、誰が社会を害し得るのか。そんな煩わしいことを考えなくて…
©サイコパス製作委員会「旧劇 エヴァンゲリオン」─ユメのセカイからの覚醒─ 感想と考察
第25話「Air」は、 素直に良かった。最後の敵は同じ人類で、NERVは人類のために使徒を殺すことを知っていても人を殺すことは知らない。全て裏切られて、それでも抗うNERVや過去の呪縛から解き放たれたアスカの勇姿にアツくなった。ミサトがシンジを大人にして送り出す場面、そして事切れる場面には胸熱くさせ…
「マギアレコード 3期 Final Season」─魔法少女は正義になれない─ 感想と考察
弱者は救えない、救われない 最終章「浅き夢の暁」・第1話で明かされた灯花とねむの過去、そして第2話で刻みつけられる魔法少女という存在の儚さ。 まどかみたいな奇跡の存在にはなれない灯花やねむには、自己犠牲だけでは全てを救うことなんてできやしなかった。いろはを救おうとした灯花とねむは、いろはを救えないど…
「86-エイティシックス-」─孤独の自己犠牲と自己嫌悪─ 感想と考察
虐げられし者の倫理 満ち足りた者からの慈悲はエイティシックスの倫理観や信念には受け入れられないというジレンマに苛まされ続ける物語だった。 誰かの犠牲の上に立ちながら銃後でのうのうと生きて、最前線での無数の死に無自覚でいることを許せないエイティシックスたちの正義もわかる。わかるけれど、その信念に完全に…