Reviews
「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
この物語の
を、あなたと感じたい─-
「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」─誰かの幸せを願う魔法─ 感想と考察
オレも魔法信じてるから! 絵本のように優しいタッチで描かれた思いやりを説き、傲慢を戒める物語。 かつて人世に迷い込んだ魔法使いはたくさんの人の幸せを願って魔法を拡散させたが、人々はそれを自分の願いのために消費した。そして、それはやがて呪いとなり人々に災厄となって降りかかった。「自分のためのわがままな…
「ジョゼと虎と魚たち」─人魚姫と地上の楽園、あるいは現実郷─ 感想と考察
これは貝に閉じこもっていた人魚姫が、地上という楽園、そして奈落を知り、成長していく物語 水面の上で輝くそれは現実郷 その車椅子に、その足に縛り付けられていたジョゼは恒夫に背中を押されて、伸ばすその腕に手を添えられて輝き溢れる外の世界を知った。だけど、そこは現実郷であり、決して理想郷ではなかった。 そ…
「機動警察パトレイバー2」─欺瞞と空回りの社会─ 感想と考察
素直に警察vs自衛隊という構図や都市で繰り広げられる戦争という展開にはロマンとでも言うべき魅惑的なものがあった。「もう一度この国は戦後からやり直すことになる」という内戦の様相漂う日本への米軍の介入が迫った場面での台詞も然り。 蜃気楼の如し街、仮想的な「戦争」 テロリストに巧妙に踊らされた結果として仮…
「ハナヤマタ」─青春をぎこちなくも華々しく舞う5人の物語─ 感想と考察
輝きたい!ヒロインになりたい!と思う普通の女の子が金髪よさこい少女と出会い、仲間を集め、5人でよさこいを踊るというお話。 思春期特有の家族や友だちについてのナイーブな葛藤や悩みを乗り越えて、5人がだんだんと結束していく姿は瑞々しく輝いていた。 そして、よさこいステージに向けてという前に待ち受ける唐突…
「ジャッリカットゥ 牛の怒り」─狂気で混沌の牛追い─ 感想と考察
ここでは思いっきりネタバレをするけれど、そもそもネタバレするような内容もないし、ただこの狂気の混沌の勢いを楽しむに尽きる映画だった。 肉屋の水牛が逃げ出したのでみんなで捕まえる話、基本的にそれ以上でもそれ以下でもない。そのはずなのに、何故か村人たち同士が個々人の因縁だったりで水牛そっちのけで喧嘩し始…
「ガルパン最終章 1話 2話 3話」感想と考察
せっかく映画館で最終章1,2,3話連続で鑑賞したので感想です。 相変わらず込み入った内容がある訳でもないけれど、戦車が走りまくって撃ち合いまくるだけで楽しいアニメ。 BC自由学園ならマリー様、知波単なら玉田と細見のコミカルな動きだったり、劇場版作画だからできるうさぎさんチームや河嶋弟妹や観戦ギャラリ…
©GIRLS und PANZER Finale Projekt「サイダーのように言葉が湧き上がる」─夏のノスタルジア─ 感想と考察
甘酸っぱくてもどかしい夏のノスタルジア 夏祭りで踊る音頭の音色に懐かしさに思わず泣き出してしまうキャラクターがいるが、この青春ロマンス物語とはこういうことなんだと思う。 思春期のうちの夏だったり恋というのは、この物語の中で大きな存在感を持つ俳句やレコードに象徴されるようにどこかノスタルジーに包まれた…
「聲の形」から考える自他との向き合い方 感想と考察
今回の感想及び咀嚼の仕方は自分でも非聴覚障害者や加害者として都合の良い受け止め方をしているのかなぁと思うところもあったけれど、自分のそういうところに正直にならないで目を逸らし続けていても何も得られないし、それこそ潔白を偽る自己保身的なことだと思ったので、前回見た時よりも想いのままに書き記す。 去年見…
「平成ガメラ3部作」─人類にとってのガメラ─ 感想と考察
ガメラ 大怪獣空中決戦 人類の身勝手な自然利用や環境破壊という今の現実と、それが人類の手に負えないものとなり結果的に自滅を招く行く末としてかつて存在した古代文明にとってそうであったギャオスが描かれた。 ガメラ2 レギオン襲来 通信を麻痺させて通信機器を持つ人を襲うレギオンを通じて、発達した都市文明に…
「ガメラ3 邪神覚醒」─少女と怪物の禁忌のまぐわい─ 感想と考察
少女と怪物 ガメラを憎む少女とガメラの宿敵であるギャオスの変異体であるイリス。 南明日香村に眠るそのイリスを孵化させてしまった比良坂彩奈とイリスの間には特別な繋がりが芽生えていた。さらに、イリスは綾奈と融合しようと彼女を取り込もうとする。 綾奈はイリスから引き離されるが、彩奈の遺伝子をイリスが取り込…