Reviews
「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
この物語の
を、あなたと感じたい─-
「岬のマヨイガ」─優しさと暖かさに満ちた日常の再生─ 感想と考察
悲しいことが起きて、そのキズが癒えきらなくても時間の経過と共に日常は再びやって来る。その新しい日常の中で不意にキズが痛むことはあるけれど、確かに優しさと暖かさが満ちていた。 一度壊れてしまった日常は細々としたものだけれど、色々な人が身を寄せ合って再び日常を歩み始めている。家族を失ってひとりぼっちだっ…
「結城友奈は勇者である2期」─私も勇者になれたら─ 感想と考察
鷲尾須美の章 日常と絶望のコントラストを決定的に見せつけられた。 楽しい日常は突然に終わり、友だちは呆気なく死んでしまって…。その死を大赦や大人たちは名誉と言うけれどただ虚しいだけで、小学生の女の子一人救えやしないで本当に何が神様なんだよと叫びたくなる。 そして、子どもたちは最後の決戦…
©2017 Project 2H「ぼくたちのリメイク」─忘れていたのはキラめきと熱量─ 感想と考察
10年前に戻ってやり直す、熱を帯びて輝いていた頃 10年前にタイムスリップした恭也は、若かりし10年後プラチナ世代と呼ばれる憧れのクリエイターたちと共に夢への道を歩む。 だけど、夢の前にはたくさんの現実という試練が立ちはだかる。10年後の未来でのクリエイターの現場を知っている恭也は、時には妥協をしな…
「結城友奈は勇者である 1期」─日常ならざる日常と勇者が頑張れる理由─ 感想と考察
日常を守るため戦う者、それが勇者 ある日突然、世界の守護者である神樹様を守るために大赦からバーテックスという敵と戦うお役目を与えられたのはいたいけな少女たちで、彼女たちは日常の世界を守るために身を投じる。 彼女たちのお役目である戦いは確かにシリアスな雰囲気を纏うものだが、その裏では和やかな女子中学生…
©2014 Project 2H「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」─もはや我々は人間ではない─ 感想と考察
人間を人間足らしめるものとは、自分を自分足らしめるものとは。 本来肉体から切り離すことのできない囚われの魂を解放することができたらどうなるのか。 この『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』はゴーストが殻から解放されたところで終わり明確な答えは定まらないが、その個体や種を制限する殻に…
「ミモザの告白 1巻」─みんな正しいのに、全てが間違ってしまった─ 感想と考察
男だけど女の子になりたくて、そして主人公のことが好きな幼馴染。女の子になってしまった彼(女)のことが好きな、主人公の好きな女の子。 この二人に挟まれながら、他人や自分自身と価値観や人間関係を削り合う主人公咲馬の、葛藤と感情の鮮烈な火花の散るヒューマンドラマ。 咲馬はきっと自分という偏見を通してしか人…
「ヤマノススメ 1期・2期」─山登りの楽しさが弾ける!─ 感想と考察
ファーストシーズン いくら初心者でもあおいは事あるごとに躓きすぎではなんて思う部分もあったけれど、自分も登山をやってた頃があるからあおいとひなたが色んなとこで出会える達成感とかちょっとした非日常的な楽しさにはすごい共感できて良かった。 何より女の子たちのかわいくてほのぼのした雰囲気が好き。 セカンド…
「ワンダーエッグ・プライオリティ」─大人になりゆく14歳という視界─ 感想と考察
本編12話まで見た時点ではどこか裏切られたような感覚に陥ったが、最終回となる特別編に待っていたのは再び裏切られつつも納得せざるを得ない全く予想外の教示的な回答だった。 ※トンじゃってる個人的解釈をトンだまま書き連ねたままで、思考過程が飛びまくっていたので注釈を追加(2021/12/4) 子どもの目に…
「踊り場にスカートが鳴る 1巻」─二人で”やりたい”へのステップを踏む物語─ 感想と考察
社交ダンスに乗せた少女の青春劇 男役のリーダーと女役のパートナー 向いていないけれどやりたいを諦めたくないききとみちるの二人が出会い、互いの欠けたピースを持つ者同士でなりたいの前に立つ壁にもがきながら、思い悩みながらも挑む物語。 1巻はやりたいを目指す青春ストーリーという側面が強かった。特に葛藤しな…
「TARI TARI」─笑ったり、悩んだり、泣いたりの青春群像劇─ 感想と考察
合唱部の5人が歌と共にたくさんの困難を乗り越えたり、はっちゃけて笑いあったり、時には高い壁の前に諦めてしまうこともあったけど、仲間と支えあってまた前を向いて歩き出したりな青春群像劇。 全13話のどれを取っても合唱部の5人の姿に具現化されたメッセージが込められていた。行く手を阻む困難に打ちのめされてし…