Reviews
「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
この物語の
を、あなたと感じたい─-
「駒田蒸留所へようこそ」─琉生さんからの2つのメッセージ─ 感想と考察
今を寝かせて、過去を未来へと届ける この蒸留所を描いた物語の中において、ウイスキー作りが示すメッセージというのは、「過去から未来へと、思いを繋いでいくこと」なんだと思う。 それは、冒頭でニュースバリューの光太郎に向けて、琉生が「少なくとも3年寝かさなければいけないんです。だから、今作っているのは未来…
©2023 KOMA復活を願う会「ウマ娘 3期」─キタちゃんを”リスタート”させた3つの転換点─ 感想と考察 1~4話
第1話「憧れた景色」 負けから始まったキタサンブラックのクラシック戦線。ドゥラメンテの圧巻の追い上げには、どこか気が抜けてしまうような感覚もあったし、悔しさよりも先に驚きのリアクションをしていたキタちゃんもきっとそう感じていたように見えるものだった。 だけど、次のダービーは負けられない。キタちゃんの…
©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会「ガルパン最終章 4話」─ミカvs澤梓、カリスマじゃない健気なリーダー像─ 感想と考察
次期リーダー・澤梓 いきなりエースのあんこうチームが撃破されてしまった大洗。だけど、みほを失っても大洗が崩れなかったのは、追い詰められてからの起死回生を狙う「あんこう割れ鍋作戦」を離脱した会長から引き継ぎ、さらにスナイパーのKV1追跡戦のために隊を二つに分ける英断を決めた澤ちゃんがいたからだった。 …
©GIRLS und PANZER Finale Projekt「アークナイツ 2期 冬隠帰路」─アーミヤとチェンの正義、その意味とは─ 感想と考察 9~13話
第9話「序歌 Conspiracy」 チェルノボーグでの戦いにて、ミーシャを自らの手で殺せなかったことは、アーミヤの心に「自分は誰も救えない」という傷を残していた。そして、あの時ミーシャに手を下すことができたチェンと対比して、アーミヤは自分の正義はただ怒りや憎しみに動かされるままのものでしかなく、そ…
©2017 HYPERGRYPH「true tears」─泣けない私の、叶わない恋─ 感想と考察
この『true tears』というアニメは、なかなかに恋愛アニメな以上に質アニメ的であるうようにも感じた。それ故に1話ずつ見終えた後にキャラクターたちの関係性と展開を整理し、自分で改めて咀嚼してから初めて見えてくるものも少なくないし、もう一度見たいと思わせてくれるものだった。それに、そうやって彼女た…
©2008 true tears製作委員会「花咲くいろは HOME SWEET HOME」─夢を叶えること、大人になること─ 感想と考察
ママの「輝きたかった」頃 喜翆荘での時は少し遡って、夏のこと。緒花は豆じいの昔の業務日誌の中に、母・皐月のことを見つける。それは皐月もまた「私、輝きたいの!」と言っていたという、緒花の知らない母の姿だった。 当時の皐月は高校3年生という、まさにこれからどんな大人になっていくのかという、人生の中でも一…
©花いろ旅館組合「花咲くいろは」─夢が終わらない限り、喜翆荘も終わらない─ 感想と考察 21~26話
第二十一話「蘇る、死ね」 恋が喜翆荘に秋の訪れを告げていた。 何よりまず縁と崇子が結婚するということで、緒花の一言でこの喜翆荘で結婚式をやろう!ということに。 そして、女将も亡き夫と二人で受け継いだ旅館がこの女将・スイを喜ばせるための「喜翆荘」なんだという話をして、崇子に「どうか縁のことをお願いしま…
©花いろ旅館組合「花咲くいろは」─夢を目指して、私は走り続ける─ 感想と考察 11~20話
第十一話「夜に吼える」 しかし、結局は旅行雑誌による喜翆荘の評価は低く…。納得いかないみんな、そして特に緒花は雑誌社に乗り込むことにしてしまう。なんだか無茶にも思える緒花だけど、きっとそこにはみんなの頑張りを認めて欲しい、頑張ることが輝けることに繋がると証明したいという思いがあるように見えていた。 …
©花いろ旅館組合「花咲くいろは」─輝く私になりたいの!─ 感想と考察 1~10話
『花咲くいろは』は、ヒューマンドラマアニメの全てをやり切ったような作品だと思う。笑いあり涙あり、萌えありお色気もあり、恋愛のすったもんだがあれば、家族とのごたごたもあるし、夢も挫折も成長もある。 劇場版「Home Sweet Home」では「人生」という言葉がキーワード的に使われるが、まさに『花咲く…
©花いろ旅館組合「結城友奈は勇者である 3期」─勇者の痛みと涙が意味すること─ 感想と考察 1~8話
第1話「青春の喜び」 勇者たちの戦いは終わりを告げて、勇者部はその反動のように失っていた青春を取り戻す日々を送っていた。バンドやキャンプにサバゲーと、フツーの女子中学生の日常は笑顔の絶えない柔らかな時の流れの中にあった。それに、今やバーテックスとの戦いで失った友のことも良くも悪くも癒えない古傷として…