Reviews
「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
この物語の
を、あなたと感じたい─-
「SAO プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ」─アスナとミト、別れと新たな道─ 感想と考察
燻る彼女への想い 第二章が始まって早々にアスナさんがレイピアをモンスター、そしてプレイヤーキラーに奪われる展開にSAOにトラブルは付きものだなぁと改めて思うばかりだったけれど、この「冥き夕闇のスケルツォ」を一度見た後にこの顛末を思い出すと、また違った印象を感じる。 このレイピアは元はミトから貰ったフ…
©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project「秒速5センチメートル」をハッピーエンドに見る方法 感想と考察
初恋から覗く世界 初恋の記憶、それが「秒速5センチメートル」なんだと思う。 小さな手の届く範囲を世界の全てだと思っていた頃の初恋の記憶。それは巨大な世界、長く大きな人生の中で守り続けることは難しい。その想いを抱えた孤独な時の流れは怖くて苦しくて、ある時耐えきれなくなって、ふっと手放してしまう。そして…
©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films「ルミナスウィッチーズ」─歌で、世界も想いも繋ぐ─ 感想と考察
「人と人との繋がりこそが力をくれる」ということを深く深く感じた。そして、1話から12話までのエピソードが一繋ぎに繋がった時、ルミナスウィッチーズたちの成長と旅路がいっそう輝きを放っていた。 同じ空の下、どこまでも越えて繋がる想い この物語は常に「遠い距離を越えて繋がる想い」を描いていた。特にセンチメ…
©2021 島田フミカネ・KADOKAWA/連盟空軍航空魔法音楽隊「僕愛・君愛」─僕/君がどこにいても想い続ける─ 感想と考察
ハヤカワ文庫原作らしく本格的なSFという印象が強く残ったロマンスだった。 特に「君愛」はSF世界の上で繰り広げられるロマンスで、「僕愛」はロマンスの描写も含めてSF世界を表現しているという印象だった。それぞれをSFとロマンスどちらなのかと言い切ってしまえば、「君愛」はロマンスで「僕愛」はSFだった。…
©2022「僕愛」「君愛」製作委員会「天気の子」─この世界からキミを守るもの─ 感想と考察
何かが欠けた街、東京 東京の街は、この世界は人の手によってあまりに人のものからかけ離れた姿になってしまった。 建物も、インフラも、そこに生きる人々も全てが効率と利益のために整然とならされてしまった都市という空間は、人に優しくない。人の生活のために目まぐるしく変貌を遂げ続ける街は、そうなればなるほどに…
©2019「天気の子」製作委員会「秒速5センチメートル」─刹那的で一度きりの甘い夢─ 感想と考察
認めたくない後味 見終わった直後、呆然あるいはショックを受けてる。二人はまた出会えるんじゃないかって思ってた。 でも、この感情こそが答えなのだと思う。人生は複雑で大きすぎて、その中でただ波のままに揺られて、流されることしかできない。いくらあの島へと願ったところで、海はそんなもの意に介せずに僕を運んで…