社会派
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「岬のマヨイガ」─優しさと暖かさに満ちた日常の再生─ 感想と考察
悲しいことが起きて、そのキズが癒えきらなくても時間の経過と共に日常は再びやって来る。その新しい日常の中で不意にキズが痛むことはあるけれど、確かに優しさと暖かさが満ちていた。 一度壊れてしまった日常は細々としたものだけれど、色々な人が身を寄せ合って再び日常を歩み始めている。家族を失ってひとりぼっちだっ…
「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」─もはや我々は人間ではない─ 感想と考察
人間を人間足らしめるものとは、自分を自分足らしめるものとは。 本来肉体から切り離すことのできない囚われの魂を解放することができたらどうなるのか。 この『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』はゴーストが殻から解放されたところで終わり明確な答えは定まらないが、その個体や種を制限する殻に…
「ワンダーエッグ・プライオリティ」─大人になりゆく14歳という視界─ 感想と考察
本編12話まで見た時点ではどこか裏切られたような感覚に陥ったが、最終回となる特別編に待っていたのは再び裏切られつつも納得せざるを得ない全く予想外の教示的な回答だった。 ※トンじゃってる個人的解釈をトンだまま書き連ねたままで、思考過程が飛びまくっていたので注釈を追加(2021/12/4) 子どもの目に…
「機動警察パトレイバー2」─欺瞞と空回りの社会─ 感想と考察
素直に警察vs自衛隊という構図や都市で繰り広げられる戦争という展開にはロマンとでも言うべき魅惑的なものがあった。「もう一度この国は戦後からやり直すことになる」という内戦の様相漂う日本への米軍の介入が迫った場面での台詞も然り。 蜃気楼の如し街、仮想的な「戦争」 テロリストに巧妙に踊らされた結果として仮…
「平成ガメラ3部作」─人類にとってのガメラ─ 感想と考察
ガメラ 大怪獣空中決戦 人類の身勝手な自然利用や環境破壊という今の現実と、それが人類の手に負えないものとなり結果的に自滅を招く行く末としてかつて存在した古代文明にとってそうであったギャオスが描かれた。 ガメラ2 レギオン襲来 通信を麻痺させて通信機器を持つ人を襲うレギオンを通じて、発達した都市文明に…
「シン・エヴァンゲリオン」─セカイは終わり、世界に重なる─ 感想と考察
大人と子供 日常とセカイ 他者と自分 刹那と永遠 終わるものと終わらないもの 現実と理想、あるいは虚構 コドモのセカイ 理想というものは往々として手に入らないものだが、それ故に焦がれてしまうものでもある。 碇ゲンドウはユイを希求する余りに、それだけが彼のセカイの全てになってしまった。閉じたセカイは世…
「ガンダム 閃光のハサウェイ」─崇高な理想と愚鈍な現実─ 感想と考察
理想と現実 子どもと大人 インテリと愚者 テロリストと一般市民 豊かさと貧しさ この物語で最も豊かさを持っていたのが閣僚たちだが、テロリスト相手の指示も聞かず喚き散らし殺される姿は自由奔放で楽観的である意味理想郷からやって来た穢れを知らない人々のようでもあった 貧しさを物語っていたのはダバオの市民で…
「ハーモニー」「虐殺器官」─伊藤計劃の物語─ 感想と考察
ハーモニー 生きることを絶対としたユートピア/ディストピアな世界観の中で善悪を生と死に表象した話だと思っていたら理性と野性の話だった。善か悪か、理性か感情かという二元的な突き詰め方で物語を終始描いていたように見えていたが、最後の場面では複合的な、あるいは感情に寄り添った結末のような印象があった。 生…
「ワンダーエッグ・プライオリティ 7~11話」 感想と考察と洞察のまとめと整理
なんか完結は6/29ということなので改めてまた1話から丁寧に咀嚼して言語化したい。とりあえず最終回目に見返した時の諸々は放出しておく。 ep.7 14歳の放課後 リカと「母親になれない一生女でいたい女」と彼女が形容する母親、千秋に焦点を当てた話。 自分のパパは誰なのかと問い詰めるリカに対して、千秋は…