恋愛
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「夏へのトンネル、さよならの出口」─過去を振り切って、未来へ届けて─ 感想と考察
自己承認の行き違い。否定された自分を他人の承認で埋めようとするか、自己否定で誤魔化そうとするか。返らない過去で立ち止まるのか、傷つきながら未来へ進み続けるのか。そんなアイデンティティを探るような青春の恋の一遍。 失ったもの、欠けているもの 妹を失った少年・塔野カオルと、祖父を失った少女・花城あんず …
「凪のあすから」─好きでいたい、愛していたい─ 感想と考察
カワイソウな子とイヤな子 あの子が好きな好きで好きで欲しい気持ちと、あの子が幸せになって欲しい気持ち。どっちも抑えられない感情だけど両立し得ない現実。 ある子は良い子だから、自分さえ諦めればいいと自分の想いに蓋をしようとする。自分の想いはダメなんだって…。 ある子は好きを諦められなくて自分をイヤな子…
©Project-118/凪のあすから製作委員会「リズと青い鳥」─二人の関係を支えるモノの正体─ 感想と考察
「みぞれのオーボエが好き」 二人の想いが通じ合った瞬間に頬を伝った熱い一滴より澄んだものを私は知らない。 累計4回目の鑑賞にしてようやくこの物語が何なのか分かったような気がした。 「ただあなたが隣にいてくれることがどれだけ私にとって大切なのかということ。」 「何もなかった私にあなたが何もかもをくれた…
「変好き」─変態ラブコメミステリーという暴力的なおもしろさ─ 感想と考察
クソじゃないアニメ Advent Calendar 2021の2日目です。 さて、本日紹介するのは『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』です。 どんなアニメか一言で表すと、**「下ネタとミステリーで殴りかかってくるアニメ」**です。 きっと意味が分からないとお思いでしょう。でも安心してくださ…
「ミモザの告白 1巻」─みんな正しいのに、全てが間違ってしまった─ 感想と考察
男だけど女の子になりたくて、そして主人公のことが好きな幼馴染。女の子になってしまった彼(女)のことが好きな、主人公の好きな女の子。 この二人に挟まれながら、他人や自分自身と価値観や人間関係を削り合う主人公咲馬の、葛藤と感情の鮮烈な火花の散るヒューマンドラマ。 咲馬はきっと自分という偏見を通してしか人…
「ジョゼと虎と魚たち」─人魚姫と地上の楽園、あるいは現実郷─ 感想と考察
これは貝に閉じこもっていた人魚姫が、地上という楽園、そして奈落を知り、成長していく物語 水面の上で輝くそれは現実郷 その車椅子に、その足に縛り付けられていたジョゼは恒夫に背中を押されて、伸ばすその腕に手を添えられて輝き溢れる外の世界を知った。だけど、そこは現実郷であり、決して理想郷ではなかった。 そ…
「サイダーのように言葉が湧き上がる」─夏のノスタルジア─ 感想と考察
甘酸っぱくてもどかしい夏のノスタルジア 夏祭りで踊る音頭の音色に懐かしさに思わず泣き出してしまうキャラクターがいるが、この青春ロマンス物語とはこういうことなんだと思う。 思春期のうちの夏だったり恋というのは、この物語の中で大きな存在感を持つ俳句やレコードに象徴されるようにどこかノスタルジーに包まれた…
「あの夏で待ってる」─痛くて美しい青春の恋物語─ 感想と考察
突然始まった不思議なひと夏の刹那な儚さと信州で繰り広げられる青春のひと時の穏やかであり騒がしい日常を、涙の出るほど甘くて酸っぱい恋物語と共に味わう群像劇。 甘酸っぱくて痛々しい夏 何かしたい、何かしなくちゃってこの夏は始まった。 そして、恋が訪れた。 だけど、それは互いにすれ違ってその想いを口にした…
「色づく世界の明日から」─現実が嫉妬する程、美しい世界─ 感想と考察
色鮮やかで現実が嫉妬する程に美しく描かれた世界に、見ていてどこか羨ましさすら込み上げてくる感覚すらあった。 そして、その世界を白黒にしか見えない瞳美のどこか靄のかかったような表情やその奥にある心の内に感傷的な魅力を感じた。 1人過去に投げ出された孤独で何もわからず怯える瞳美だったが、すぐ写真美術部の…
「ジョゼと虎と魚たち」を薦める感想と考察
この記事はクソじゃないアニメ Advent Calendar 2020の参加記事です。 この記事のアドベントカレンダー担当日である12月25日劇場公開の『ジョゼと虎と魚たち』の紹介記事です。試写会で鑑賞済みなので感想も織り交ぜつつ、ストーリーの核心的なネタバレは避けながら予告PVに少し言い足したくら…