恋愛
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「SSSS.GRIDMAN」─甘くて不安定なアカネの世界の意味─ 感想と考察
不安定・青春エッセンス 新条アカネの心という狭いセカイの中で、彼女自身の存在がいっぱいいっぱいに肥大化していた。彼女の怒りやストレス、ナイーブさや未熟さ、自己中心さやわがままさといった自己と世界が分離できてないセカイの捉え方を、愛おしさたっぷりに言えば青春と呼び、はっきり言えば幼さとか子どもっぽさと…
©円谷プロ ©2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会「さよならの朝に約束の花をかざろう」─愛に導かれるマキアの人生─ 感想と考察
「愛」とは 愛には二つの種類があると思う。一つは純粋な真っ直ぐな愛、もう一つは嫉妬のような拗れた愛。 これは、そんな愛を確かめるための物語。 愛を紡ぐ一族 時間という経糸と人の生業という緯糸からヒビオルを織るイオルフ。彼らは別れの一族と呼ばれる。長命の彼らが一族の村を飛び出してしまえば、そこにはたく…
©PROJECT MAQUIA「まどかマギカ 叛逆の物語」─暁美ほむらの美しくて醜い感情─ 感想と考察
暁美ほむらの全てはまどかのため。自分が生きる意味も何もかもを捧げられる。 だから、全ての魔法少女を絶望の輪廻から救うために鹿目まどかがいなくなった世界は虚空で無為。その隙間を透き通るように綺麗で、おぞましい程に禍々しいが感情が満たしていく。もし世界の定義がその想いに反するのならば、宇宙の理ごと変えて…
©Magica Quartet / Aniplex・Madoka Movie Project Rebellion「千年女優」─初恋に溶かされた心と世界─ 感想と考察
かつて大女優として一世を風靡した藤原千代子。彼女が語る「恋する少女」としての半生と「恋する女性を演じ続けた女優」としての半生。そこに映し出される実態の千代子と虚構の千代子は曖昧に溶け合い、「届かぬ恋を追い続ける感情」に囚われた千代子の内面に広がる盲目的な愛に陶酔した世界観を描き出す。 永遠の刹那と、…
©「千年女優」製作委員会「秒速5センチメートル」をハッピーエンドに見る方法 感想と考察
初恋から覗く世界 初恋の記憶、それが「秒速5センチメートル」なんだと思う。 小さな手の届く範囲を世界の全てだと思っていた頃の初恋の記憶。それは巨大な世界、長く大きな人生の中で守り続けることは難しい。その想いを抱えた孤独な時の流れは怖くて苦しくて、ある時耐えきれなくなって、ふっと手放してしまう。そして…
©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films「僕愛・君愛」─僕/君がどこにいても想い続ける─ 感想と考察
ハヤカワ文庫原作らしく本格的なSFという印象が強く残ったロマンスだった。 特に「君愛」はSF世界の上で繰り広げられるロマンスで、「僕愛」はロマンスの描写も含めてSF世界を表現しているという印象だった。それぞれをSFとロマンスどちらなのかと言い切ってしまえば、「君愛」はロマンスで「僕愛」はSFだった。…
©2022「僕愛」「君愛」製作委員会「天気の子」─この世界からキミを守るもの─ 感想と考察
何かが欠けた街、東京 東京の街は、この世界は人の手によってあまりに人のものからかけ離れた姿になってしまった。 建物も、インフラも、そこに生きる人々も全てが効率と利益のために整然とならされてしまった都市という空間は、人に優しくない。人の生活のために目まぐるしく変貌を遂げ続ける街は、そうなればなるほどに…
©2019「天気の子」製作委員会「秒速5センチメートル」─刹那的で一度きりの甘い夢─ 感想と考察
認めたくない後味 見終わった直後、呆然あるいはショックを受けてる。二人はまた出会えるんじゃないかって思ってた。 でも、この感情こそが答えなのだと思う。人生は複雑で大きすぎて、その中でただ波のままに揺られて、流されることしかできない。いくらあの島へと願ったところで、海はそんなもの意に介せずに僕を運んで…
©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films「君の名は」─運命を紡ぐ結び《ムスビ》の意味─ 感想と考察
二人の運命 誰と繋がっているのか、どこと繋がっているのか、本当は夢や幻なんかじゃないかと思ってしまうくらいに覚束ない記憶。だけど、確かに繋がっていることを感じさせる「結び」がある。 ある日、三葉と瀧は遠く離れた世界を越えて、出会った。あり得ないほど遠い遠い世界を跨いで、溶け合うように交じ合った。 2…
©2016「君の名は。」製作委員会「夏へのトンネル、さよならの出口」─二人だけの未来─ 感想と考察
外と中で異なる時間の進み方をするウラシマトンネル。 これは過去に囚われた花城と塔野を永遠にその過去に閉じ込めるもののように見えていた。だけど、二人を結びつけもしたこのトンネルは、それぞれの捨てきれなかった過去と向き合わせ、そして未来へと送り出すための存在だったのかもしれない。 そして、その未来はただ…