思春期
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「涼宮ハルヒの消失」─長門とキョンが示した愉快な日常セカイ─ 感想と考察
長門とキョンが教えてくれたのは、何の変哲もないこの日常こそが、一瞬一瞬を噛みしめなければいけない非日常なんだということだったように思う。 非日常な日常は日常だけど非日常 クリスマスを目前としたキョンの日常は、今日も非日常だった。ハルヒがクリスマスパーティーをSOS団部室で行う!と宣言して、団員たちは…
©2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団「グリッドマン ユニバース」─重なる世界が見せた真実とメタフィクション─ 感想と考察
この物語はすべての妄想への賛歌なんだと思う。 子どもっぽくて、夢想的で、ロマンチックで、非現実的なメタフィクション。 GRIDMANで人と繋がることを知り、DYNAZENONで自分を貫くことを知った僕たち人間は、今度は夢見ることを知る。 「グリッドマン物語」 それは霧のように消えてしまったあの2か月…
©円谷プロ ©2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会「秒速5センチメートル」をハッピーエンドに見る方法 感想と考察
初恋から覗く世界 初恋の記憶、それが「秒速5センチメートル」なんだと思う。 小さな手の届く範囲を世界の全てだと思っていた頃の初恋の記憶。それは巨大な世界、長く大きな人生の中で守り続けることは難しい。その想いを抱えた孤独な時の流れは怖くて苦しくて、ある時耐えきれなくなって、ふっと手放してしまう。そして…
©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films「天気の子」─この世界からキミを守るもの─ 感想と考察
何かが欠けた街、東京 東京の街は、この世界は人の手によってあまりに人のものからかけ離れた姿になってしまった。 建物も、インフラも、そこに生きる人々も全てが効率と利益のために整然とならされてしまった都市という空間は、人に優しくない。人の生活のために目まぐるしく変貌を遂げ続ける街は、そうなればなるほどに…
©2019「天気の子」製作委員会「秒速5センチメートル」─刹那的で一度きりの甘い夢─ 感想と考察
認めたくない後味 見終わった直後、呆然あるいはショックを受けてる。二人はまた出会えるんじゃないかって思ってた。 でも、この感情こそが答えなのだと思う。人生は複雑で大きすぎて、その中でただ波のままに揺られて、流されることしかできない。いくらあの島へと願ったところで、海はそんなもの意に介せずに僕を運んで…
©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films「夏へのトンネル、さよならの出口」─過去を振り切って、未来へ届けて─ 感想と考察
自己承認の行き違い。否定された自分を他人の承認で埋めようとするか、自己否定で誤魔化そうとするか。返らない過去で立ち止まるのか、傷つきながら未来へ進み続けるのか。そんなアイデンティティを探るような青春の恋の一遍。 失ったもの、欠けているもの 妹を失った少年・塔野カオルと、祖父を失った少女・花城あんず …
「ワンダーエッグ・プライオリティ」とエディプスコンプレックスとフロイト哲学 考察
エディプス・コンプレックスについて まず、エディプス期に入る前の子どもは父親よりも母親に愛着、すなわちリビドー(対象への欲動)を向ける。次に、エディプス期に入ると同性の親を敵視し、異性の親により惹かれるようになる。男児の場合は、同性の親(父親)による無意識の去勢不安に脅かされて、異性の親(母親)との…
「凪のあすから」─好きでいたい、愛していたい─ 感想と考察
カワイソウな子とイヤな子 あの子が好きな好きで好きで欲しい気持ちと、あの子が幸せになって欲しい気持ち。どっちも抑えられない感情だけど両立し得ない現実。 ある子は良い子だから、自分さえ諦めればいいと自分の想いに蓋をしようとする。自分の想いはダメなんだって…。 ある子は好きを諦められなくて自分をイヤな子…
©Project-118/凪のあすから製作委員会「ロード・エルメロイ二世 特別編」─大人になれない少年を導く魔術と内省─ 感想と考察
「ウェイバーと同窓会と幻灯機」 見るべき時期の定められた作品というものは少なからずしてあると思うのだけど、2022年の1月10日、人生で20回目の成人の日というのはまさしくこの物語を見るための日であったと思う。 あらすじ ある日、時計塔の同窓会の報せがロード・エルメロイII世の許に届くところからこの…
「リズと青い鳥」─二人の関係を支えるモノの正体─ 感想と考察
「みぞれのオーボエが好き」 二人の想いが通じ合った瞬間に頬を伝った熱い一滴より澄んだものを私は知らない。 累計4回目の鑑賞にしてようやくこの物語が何なのか分かったような気がした。 「ただあなたが隣にいてくれることがどれだけ私にとって大切なのかということ。」 「何もなかった私にあなたが何もかもをくれた…