「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来」感想と考察
Publish date: Apr 30, 2021
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まず、中国風の世界観、特に自然の描き方に特有の雰囲気があり、新鮮でおもしろかった。
戦闘シーンもスピード感がすごくてどこかufotableっぽさを感じた。
途中で挟まるギャグシーンは同じ中国アニメの「兄に付ける薬はない! 」に似た雰囲気やノリがあったように思う。あまり中国発のアニメに造詣があるわけじゃないけれどこういうノリが向こうでは流行りというか定番だったりするのかな?
自然と人世の共存というテーマの物語。
自然に対して保守的なフーシンのことも、共存という立場を取る革新的なムゲンが人であるが故に妖精の世界に溶け込めないことにつけても「共存」が作中では結局理想のことのまま終わっていた。しかし、サブタイトルの「ぼくが選ぶ未来」とあるように主人公のシャオヘイ、あるいはそこに投影されたこの作品を見ている私たちが自然と人世、あるいはなかなか互いを理解し得ない者同士の「共存」について思慮する幅があったのはとても良かった。また、この作品が所謂中華アニメという背景を意識にあるためか、中国人と日本人のような異文化人、異国人の関係に思いを巡らされもした。
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