「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
「SAO オーディナル・スケール」─彼女の歌声は永遠に刻まれる─ 感想と考察
SAO事件から4年を経た2026年、人々の間ではARに特化した新たな次世代ウェアラブル・マルチデバイス≪オーグマー≫とが人気を得ていた。 ≪ナーヴギア≫の後継デバイスの位置を継ぐ≪オーグマー≫とその専用ARMMO RPG≪オーディナル・スケール≫にはかつて多くの人の命を奪ったデスゲーム、SAO≪ソードアート・オンライン≫ の影があった。
「集めた一秒を永遠に」
SAOの記憶にはつらいことや悲しいことがたくさんあって、忘れてしまいたくなるような出来事も数えきれない程ある。
だけど、その中にはSAOがあったからこそ出会うことのできた忘れたくない大切な思い出も確かに存在する。
つらかった出来事も悲しみに涙を落とした日のことも、楽しかった思い出や汗を流した時と同じくらいに、今の私たちを作っている2年間の全てだから。
しかし、SAOがクリアされてしまった今、過ぎていった過去もその中で犠牲となったユナももう取り戻すことはできない。
それでも、エイジと重村教授はかつてのSAOプレイヤーの記憶の中からユナを生き返らせようと一つの望みに縋る。それと同時に彼らがSAOで過ごしたたくさんの思い出と多くの犠牲を代償として費やしながら…。
過ぎ去った過去を完全な形で取り戻すことはできない。これは時間が前に進み続ける限りは逃れることのできない道理だ。
だから、せめてユナという少女が存在したこと、彼女の歌声がたくさんの戦士を勇気づけたり癒したりした思い出を守り続けたい。一挙手一投足を記憶し続けることはできなくとも、ユナへの想いとその彼女がいたことだけは刻みつけたい。
そうやってこれまでに手を振って、そしてこれからに旅立つ物語。これからもこの胸の中で彼女は生き続ける。
オーディナル・スケールはやっぱり神田沙也加さんの歌が良すぎる…。あの癖ある声も好きだし、声優として歌手としてユナというキャラクターの魅力を形作っているから、彼女の訃報どうしても色々重なって見えてしまうし、重ねてしまいながら見てしまった。
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