「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
「プリンセス・プリンシパル」─切なくも力強い少女たちの物語─ 感想と考察
Publish date: Feb 11, 2021
不条理で悲しき運命に縛られた少女たち
これは、スパイに王女に用心棒、いずれも他人の政治のための自らの意志の通わぬ道具であり、生き方をその使用者に委ねられている少女たちの物語
領土も国民も階級も引き裂かれた国を一つにするために、かつての王女は壁を取り払うことを願った。しかし、不思議な星の下に出会った王女とスラム街の少女は革命により数奇な運命に巻き込まれる。
王女と入れ替わったスラム街の少女は王女の意志を継ぎ、宮廷内政争を生き抜き女王となり国を変えることを志す。
スパイとなった王女は冷徹に淡々と言いつけられた任務をこなすマシーンとなり、裏の世界で生き抜いた。
しかし、再会の場面でアンジェがシャーロットに提案したのはカサブランカへの逃避行だった。かつて彼女が救済を願った国を捨ててこの運命から逃げようと。それでも、シャーロットの回答は引き裂かれた母国を捨てることなどできない、女王の座に就き国を隔てる壁を取り払い、運命に真っ向から抗うというものだった。
見た目も瓜二つだけど運命から逃れるか、立ち向かうか表裏一体な二人は過酷なミッションを経て思いを一つに一心同体となり、国を変えるためのミッションに彼女たちはまだまだ挑み続ける。
切なくも力強い物語
スパイチームの面々だけでなく、各話で登場する人々にもそれぞれ悲しい運命が課せられていて切ないエピソードも多かった。
そして、アンジェとシャーロットの儚くも力強い秘密の絆にとても惹き付けられた。
Tags: