Reviews
「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
この物語の
を、あなたと感じたい─-
「かがみの孤城」─あなたが大人になった未来で待ってる─ 感想と考察
自分の心に閉じこもる 安西こころは不登校。そんな彼女の「行きたくないじゃなくて、行けない」を母親さえも理解してくれない。そんな全てに息が詰まるような感覚に自分の居場所なんかどこにもなくて孤独なように思えてしまう。そんな毎日だった。 しかしある日、突然光りだした部屋の鏡。そこに誘われると中には城が広が…
©2022「かがみの孤城」製作委員会「アークナイツ 1期 黎明前奏」─それでも私は理想を語る─ 感想と考察
この物語は「理想を語ることは簡単でも現実にすることは果てしなく難しい。だけどそれを知ってなお、まだ理想を語る者は臆病なんかじゃない。現実という暗闇を希望の光で照らしていく者には確かな勇気を持っている」と、そんなことを語っているのだと私は思う。 重く暗い世界で生きる少女たち 重く残酷な世界に立ち向かわ…
©Hypergryph Studio Montagne/Yostar/Yostar Pictures「まどかマギカ 叛逆の物語」─暁美ほむらの美しくて醜い感情─ 感想と考察
暁美ほむらの全てはまどかのため。自分が生きる意味も何もかもを捧げられる。 だから、全ての魔法少女を絶望の輪廻から救うために鹿目まどかがいなくなった世界は虚空で無為。その隙間を透き通るように綺麗で、おぞましい程に禍々しいが感情が満たしていく。もし世界の定義がその想いに反するのならば、宇宙の理ごと変えて…
©Magica Quartet / Aniplex・Madoka Movie Project Rebellion「千年女優」と「レヴュスタ」2つの演じて魅せるメタフィクションの比較考察
先日見た「千年女優」のメタフィクションさについて逡巡すると、「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」のワイルドスクリーンバロックの名を冠した独特の世界観や演出が思い当たった。異なる時空や次元を超えて曖昧に重なり合う世界観を持つ2つの作品同士もまた重なり合うのだ。 少女☆歌劇 レヴュースタァライト…
©「千年女優」製作委員会・©Project Revue Starlight「AKIRA」─万人に眠りし反逆の本能─ 感想と考察
欲望の果実 戦後30年を経て、ディストピアと化したネオ東京。そこは政治家と資本家の身の丈を超えた欲望によって社会は熟れきっていた。そして、もはや腐りかけの果実では、その内に溜め込んだ人々の抑圧された叫びの制御に亀裂が生まれていた。武力による治安統制や民を搾取する税制改革に具現化した現状の社会秩序を崩…
©アキラ製作委員会「千年女優」─初恋に溶かされた心と世界─ 感想と考察
かつて大女優として一世を風靡した藤原千代子。彼女が語る「恋する少女」としての半生と「恋する女性を演じ続けた女優」としての半生。そこに映し出される実態の千代子と虚構の千代子は曖昧に溶け合い、「届かぬ恋を追い続ける感情」に囚われた千代子の内面に広がる盲目的な愛に陶酔した世界観を描き出す。 永遠の刹那と、…