Reviews
「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
この物語の
を、あなたと感じたい─-
「ディアルガVSパルキアVSダークライ」─その暗黒に秘められた想い─ 感想と考察
自分の居場所がなかったダークライにアリシアがここにいて良いんだよって言ってくれた。きっとダークライにとってはそれが初めて触れた優しさだった。そして、それ以来ダークライはアラモスタウンの庭園にひっそり住み着くようになって───── そして数十年後、神々の争いの狭間で街やアリシアの孫でよく似たアリスが巻…
「水の都の護神 ラティアスとラティオス」─この水の都と生きていく─ 感想と考察
人の姿に化けてサトシと遊びたがるラティアスが本当に人懐っこくて、どこまでも愛おしい。彼女に感じるこの気持ちは、人に対する愛と同じかそれ以上のものだと言い張れる。 人と水が共に生きる街 「こころのしずく」から湧き出す水に揺蕩われた水の都・アルトマーレ、この街をかつて危機から護ったという伝説と共に語り継…
「犬王」─魂の叫びは、友有の存在証明─ 感想と考察
今は昔、奪われて失われた者たちの物語 犬王と友有は無念のうちに終えた平家の物語を歌うことで、彼らの存在を再び世に示し成仏させていった。 そして、足利義満によって亡き者にされた友有と自らを封じざるを得なかった犬王。この歴史の上からその存在をかき消され、忘れ去られてしまった2人が確かに存在し一世を風靡し…
「ラブライブ!虹ヶ咲2期」─ステージの上にあなたを連れて行くトキメキ─ 感想と考察
自分が主役になるなんて考えたこともなかった。そんなあなたがトキメキに魅せられて、輝くそれに手を伸ばしてもいいんだよと勇気と情熱をくれる。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の物語の後半を表すには、まさにそんな言葉がぴったりだと思う。 そして、彼女たちの生き様に胸を打ち震わされて流した涙の向こうには七色の…
「であいもん」─あなたがいるから、私は涙を流せる─ 感想と考察
自分の居場所に気づく物語 自分の居場所に「気付く」ことと「見つける」ことは似ているようで異なることだと思う。一果は幼い頃に父親に半ば捨てられた形で緑松に預けられた。緑松ではみんな暖かく迎え入れてくれたし、みんな娘や孫のように接してくれる。だけど、本当は緑松は縁もゆかりもない場所で、一果にとってはやっ…
©RIN ASANO/緑松「劇場版 輪るピングドラム 後編」─本当の自分は関係性の中にいる─ 感想と考察
この世は求められるか、求められないか 彼らの目には自分は世界から必要とされていないように映っていた。それはすなわち社会的認知死んだも同じ。だから、ふと自分を求めてくれる人が現れると、彼らの内面世界はただその一人へと収束していく。自分すら呪った自分を愛してくれる。だから、自分を見つけてくれたその人のた…
「デリシャスパーティープリキュア 18話」─贖罪と優しさのキュアフィナーレ─ 感想と考察
「わたし、パフェになりたい!輝け!キュアフィナーレ!」 みんなを笑顔にしたいと思ってきたのに、ジェントルーとしてみんなをキズつけてしまった。本当は優しいからこそ過去の自分を許すことができないあまねの葛藤は、きっと自分自身を直視できないような辛さがあって、見ているだけで痛切だった。 ウバウゾーから助け…
「PSYCHO-PASS 1期」─自分を生きる責任─ 感想と考察
平和で穏やかな日常や最適化された生活という普段の努力なしには手にできないものを当たり前の産物だと思い込んだ社会、それはシビュラシステムという神に与えられものであり、決して人類の社会ではない。 何が必要で、何が不要なのか。自分が何を成せばいいのか、誰が社会を害し得るのか。そんな煩わしいことを考えなくて…
©サイコパス製作委員会「旧劇 エヴァンゲリオン」─ユメのセカイからの覚醒─ 感想と考察
第25話「Air」は、 素直に良かった。最後の敵は同じ人類で、NERVは人類のために使徒を殺すことを知っていても人を殺すことは知らない。全て裏切られて、それでも抗うNERVや過去の呪縛から解き放たれたアスカの勇姿にアツくなった。ミサトがシンジを大人にして送り出す場面、そして事切れる場面には胸熱くさせ…
「マギアレコード 3期 Final Season」─魔法少女は正義になれない─ 感想と考察
弱者は救えない、救われない 最終章「浅き夢の暁」・第1話で明かされた灯花とねむの過去、そして第2話で刻みつけられる魔法少女という存在の儚さ。 まどかみたいな奇跡の存在にはなれない灯花やねむには、自己犠牲だけでは全てを救うことなんてできやしなかった。いろはを救おうとした灯花とねむは、いろはを救えないど…