「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
「ラブライブ!」─μ´sの輝きと儚さ─ 感想
今更ラブライブ!シリーズのアニメを全部見た。
もちろん今までラブライブ! を知らないなんてことはなかったけれど、なかなかまともにコンテンツに触れる機会がなかった。そして遂にシリーズ9周年の2020年の秋クールに放送されたアニガサキでようやくラブライブ!に初めてまともに触れてからは他のシリーズにも触れる機会があり、年末年始にサンシャイン!!、そして今回無印を履修した。
やっぱり伝説のコンテンツだとしみじみ感じたので食わず嫌いせず波に乗っておけばよかった…と今更ながら思ったりもするけれど、夏クールからはスーパースター!!のアニメ放送も始まるので今からでも波に乗っていきたいという心意気です。
今回はラブライブ!の1期2期と劇場版を見たので、特に印象強かった点を語ります。
9人の女神の輝き
スクールアイドルとして熱く青春を駆け抜ける9人の情熱や美しさはもちろん大いに胸を打つものがある。しかしそれだけではなく、他人にはなかなか受け入れられなかったり突っ走りすぎてしまう個性を持つ彼女たちが、同じように疎外感や行き場のない思いを抱える仲間たちに出会い、互いに理解し、理解され合うことで自分たちだけのスクールアイドルという姿を見出すことができた。そして、スクールアイドルとして多くの人に認めてもらうことのできた彼女たちは自分たちの好きな自分の在り方を表現できていた。そんな彼女たちの本当にきらきらと輝いていた姿にとめどなく溢れる想いがあった。
Snow halation
ここにあらゆる思いが集っていた。本番直前に立ちはだかる困難である一方でこの曲を最高に演出する要素でもある雪や、A-RISEとの直接対決という大舞台に、9人で紡ぎ合わせた曲であるということ。そして何よりこの歌の持つ感情に作用する力。
あらゆる要素が理屈を越えて感極まらせるものだった。ただひたすらに圧倒され伝説たる所以を肌で感じた。この回があったからこそこの26話全ての魅力が数段にも高まっていたように感じた。
終わる切なさと儚さ
μ’sは終わって欲しくないけれど、この絶頂で終わってしまうからこそこんなにも愛おしく大切に思うことができて、ただの一分一秒がとても惜しいものに映る。
彼女たちの叶えてきた物語がクライマックスで終わってしまうことを100%の笑顔で見送ることはやっぱりできないかもしれない。
それでも切なさから25%足りないけれど、笑顔で見届けてあげたい気持ちが75%。そして、ハレの舞台を喜びで見送ってあげたい想いもあるからこその75%のどうしようもなく悲しくて切ない気持ちもある。この二つの想いは共に本物であり、だからこそ150%の思いを彼女たちに抱いて、懸けることができる。
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