「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
「平成ガメラ3部作」─人類にとってのガメラ─ 感想と考察
ガメラ 大怪獣空中決戦
人類の身勝手な自然利用や環境破壊という今の現実と、それが人類の手に負えないものとなり結果的に自滅を招く行く末としてかつて存在した古代文明にとってそうであったギャオスが描かれた。
ガメラ2 レギオン襲来
通信を麻痺させて通信機器を持つ人を襲うレギオンを通じて、発達した都市文明における情報化に頼りすぎていることへの警告を描いた。
ガメラ3 邪神覚醒
人類を怪獣から守って来たガメラであるが、彼らの戦いに巻き込まれて犠牲になる人もいるという点で人類はガメラは憎む身勝手な横暴さと最後には結局ガメラに頼らなければ人類は怪獣から身を守ることができないという自然に対する弱さを描いた。
ガメラという存在
ガメラは本質的には人類の味方ではなく地球の生態系の味方としてそれを乱すギャオスやレギオンと戦ったが、 ガメラ3ではガメラは結局のところ人に影響を受けた存在であり、自ら滅びゆく人類の死を加速させるものとしてギャオスなどの怪獣がいるとも語られていた。
また3編で一貫しているのはガメラを都合の良い時だけ祭り上げ、そうでなければ人類の敵として殺そうとする身勝手な人類の姿であった。