「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
「ガルパン最終章 4話」─ミカvs澤梓、カリスマじゃない健気なリーダー像─ 感想と考察
Publish date: Nov 5, 2023
次期リーダー・澤梓
いきなりエースのあんこうチームが撃破されてしまった大洗。だけど、みほを失っても大洗が崩れなかったのは、追い詰められてからの起死回生を狙う「あんこう割れ鍋作戦」を離脱した会長から引き継ぎ、さらにスナイパーのKV1追跡戦のために隊を二つに分ける英断を決めた澤ちゃんがいたからだった。
彼女は知波単戦の時にも既にそのリーダーシップの片鱗を見せてはいた。だけど、そういう力をただ持っているだけでなくて、次なる隊長として大洗チーム全員にその姿を見せたことが、今回みほというチームの支柱を失っても、変わらず戦い続けることができた要因だったように見えていた。
立ちはだかるカリスマリーダー
とはいえ、継続高校の隊長・ミカはリーダーとしてはもちろん、特に単騎でも恐ろしい粘り強さを携えているあたりに何枚も上手だと思わされるばかりだった。大洗を不意打ちでゲレンデに誘い込んで自分の得意な高速機動戦に持ち込んだり、仲間があらかた撃破されても冷静に雪崩を誘発させることで数的不利を飄々と脱したりと、ミカの熟練した手腕は圧巻だった。
そんなチームを率いながらも、同時に単騎でも強さを見せられるカリスマ性のようなものを持っていることが、やはりみほやミカのようなリーダーの条件であり、まだ澤ちゃんにはないものとして感じさせられた。
率いるのではなく、共に戦うリーダー
だけど、ゲレンデ滑走戦でフラッグ車が撃破されそうな間際に自ら壁として撃破され、「あとはお願いします!」という言葉を残す澤ちゃんも、それはそれで一つのリーダー像を示しているように思えた。だから、澤ちゃんの「健気に頑張る!」というイメージは「隊長のために!」と仲間を奮闘させて強さを引き出すリーダー像であり、それは特にミカにはない強さの資質のように思えた。
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