「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
「Fate/stay night UBW」 感想と考察
衛宮くん…あのさぁ\
確かに彼は前回の聖杯戦争での反動もあってか切嗣の模倣をするようにひたすらに己の信じる正義を追い求めていくのは結構なのだが、その見境のなさや自らの手の届く域を超えた救済をしようと望む姿には疑問を覚えざるを得ない。一方でこの点については一般的な主人公のむしろあるべき姿とも思える
しかし、彼には決定的な信念が欠けてるが故にあまりにもな嫌悪感を感じるような気がする
確かにそれなりの信念を彼が持っているだろうことは分かるのだが、目につくものすべてを助けようとするその姿勢が刹那的な情動に突き動かされているだけのように映り、彼に信念でなく無謀や高望みを感じてしまい嫌悪感を抱いてしまう
さらに彼の自らの命を顧みない正義の行使には非人間的どころか自らを超越的な立場にいるものかのように思い込んでいるのではとさえ感じる
結局、彼には中身の感じさせ得ない自分本位のような自分が信じさえしていればよい自己満足の正義に思えるのである、それ故に彼には「正義の反対はもう一つの正義」と言ってやらなばならないと思う
アーチャーのそんな衛宮士郎に対する自害しろという宣告は互いに互いを認められず、また同一の存在である自己の否定として皮肉にも名案という他ない解決策と言える
またアーチャーの「個の正義と、全体の正義は異なる」という言葉は衛宮士郎を諌める言葉としてまさしく正しいと思う
ただ、衛宮士郎の聖杯戦争後の自分の正義は後悔しても間違えていなかったという言葉には彼らしい自己犠牲的な印象と共に潔さのような肯定的な感情も抱けた
以上のように衛宮士郎には不満が多かった一方、遠坂凛には魅力的なヒロインだった
ツンましましなツンデレヒロインなのが最高だったし、というか寝る前に毎晩腕立て伏せしてるらしいのが萌えポイント高すぎる
heaven’s feelにも期待
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