「物語の読解、演出の解体、世界観の抽象化」
「青ブタ ランドセルガールの夢を見ない」原作ラノベ 感想と考察
Publish date: May 4, 2020
大人になるための最後のピース
梓川咲太は二年間、母と離れ離れになっている間に彼が傷ついた妹の親代わりとして日常を過ごし、徐々にその空白の日常が満たされていくうちに「家族」を忘れてしまった。
そして、思春期症候群を通して彼はいつの間にか失ってしまったそのピースに気づいた。
空白の二年間が当たり前は当たり前じゃない、いつもそこにあるものじゃないと彼に教えてくれたと気づいた。
だからこそ、その欠けてはいけない「家族」という存在を取り戻す必要があった。
空白の二年間で自立した咲太は「家族」を知って、最後のピースに「家族」が嵌って大人になった。
このピースがなければ舞と約束した二人の家族もきっと咲太は築けないだろうし、子供という存在に欠かせない家族というステップをちゃんと踏むことなく大人へスキップしてしまっていただろう。
これで青春ブタ野郎の梓川咲太の高校生編は終わったが、残された多くの謎と共に新たに大学生編が始まる。
思春期は流石に終えただろう咲太だが、果たしてどんな物語が待っているのか。
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