SF
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「イヴの時間」─信じれば、無機質な身体に宿る愛も本物になる─ 感想と考察
人間とアンドロイド。 存在の境界を越えて思いの通じ合う場所で、切なさと冷たさの裏に愛情を見つける物語。 アンドロイドが高度に発達した社会。 それは人間の潜在的な恐怖と忌避が、倫理の下に人とアンドロイドを分断する世界。 アンドロイドが人間に置き換わったりしないか、そもそも人が作り出して使役するモノが人…
「EUREKA/エウレカセブン ハイエボリューション」─少女は愛を知り、母に、そして神になる─ 感想と考察
これは家族を知らないたった一人だったエウレカが、同じエウレカであるアイリスと出会い、身を共にする中で親と子の愛に通じるものを知り、大切なものを得るまでの物語。 最初は愛情どころか愛想すら知らずアイリスの子どもの心を解することができなかったエウレカはもう見ていられないくらいだった。だけど、アイリスにと…
「シン・ゴジラ」─日本という日常の崩壊と真価─ 感想と考察
本物の現実の崩壊 その圧倒的な異物によって、日常の風景が世界があっと言う間に崩れて去っていく光景には恐怖なのか、悲しみなのかその理由すらもわからない涙が湧き上がってくる。 保守的な文書主義と保身的な政治によってがんじがらめなその国は、余りに私たちの生きる日本という名の国家とそっくりであった。ヒロイッ…
「アイの歌声を聴かせて」─その純粋さを守りたい─ 感想と考察
子どもには自分に対して素直に純粋になれば、あなたは幸せになれると歌う。 大人には他人に対して真っ直ぐな視線を向けられれば、みんなの世界が幸せになると歌う。 純粋色に染めて 実証実験のため送られた先の学校で、シオンのAIとしての融通の効かなさは浮いた言動となって目に映る。だけど、同時にシオンのその純粋…
「プリンセス・プリンシパルCH 2章」─ロリ皇女を泣かすノルマンディー公が許せない─ 感想と考察
メアリちゃん殿下をびびらせた挙げ句にトラウマを植え付けて泣かすなんて、ノルマンディー公ちょっと許せなさすぎるが!?憎き敵でありつつも冷淡かつハードボイルドな姿に好感もあったけれど、ロリを泣かすなんて見損ないました…。 それにしても、超幸薄そうなメアリちゃん殿下がかわいすぎた、守ってあげたい。 そして…
「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」─もはや我々は人間ではない─ 感想と考察
人間を人間足らしめるものとは、自分を自分足らしめるものとは。 本来肉体から切り離すことのできない囚われの魂を解放することができたらどうなるのか。 この『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』はゴーストが殻から解放されたところで終わり明確な答えは定まらないが、その個体や種を制限する殻に…
「機動警察パトレイバー2」─欺瞞と空回りの社会─ 感想と考察
素直に警察vs自衛隊という構図や都市で繰り広げられる戦争という展開にはロマンとでも言うべき魅惑的なものがあった。「もう一度この国は戦後からやり直すことになる」という内戦の様相漂う日本への米軍の介入が迫った場面での台詞も然り。 蜃気楼の如し街、仮想的な「戦争」 テロリストに巧妙に踊らされた結果として仮…
「平成ガメラ3部作」─人類にとってのガメラ─ 感想と考察
ガメラ 大怪獣空中決戦 人類の身勝手な自然利用や環境破壊という今の現実と、それが人類の手に負えないものとなり結果的に自滅を招く行く末としてかつて存在した古代文明にとってそうであったギャオスが描かれた。 ガメラ2 レギオン襲来 通信を麻痺させて通信機器を持つ人を襲うレギオンを通じて、発達した都市文明に…
「ガメラ3 邪神覚醒」─少女と怪物の禁忌のまぐわい─ 感想と考察
少女と怪物 ガメラを憎む少女とガメラの宿敵であるギャオスの変異体であるイリス。 南明日香村に眠るそのイリスを孵化させてしまった比良坂彩奈とイリスの間には特別な繋がりが芽生えていた。さらに、イリスは綾奈と融合しようと彼女を取り込もうとする。 綾奈はイリスから引き離されるが、彩奈の遺伝子をイリスが取り込…
「ガンダム 閃光のハサウェイ」─崇高な理想と愚鈍な現実─ 感想と考察
理想と現実 子どもと大人 インテリと愚者 テロリストと一般市民 豊かさと貧しさ この物語で最も豊かさを持っていたのが閣僚たちだが、テロリスト相手の指示も聞かず喚き散らし殺される姿は自由奔放で楽観的である意味理想郷からやって来た穢れを知らない人々のようでもあった 貧しさを物語っていたのはダバオの市民で…