SF
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「パプリカ」─夢のパレードが残すのは、己の人生─ 感想と考察
非常に難解奇異な物語で、最後の最後に何を言わんとしていたのかをようやく微かに理解することができたような…気がするといった作品だった。 私が出した結論としては、『パプリカ』というのは「夢の昇華のさせ方」を描いていたのだと思う。 粉川警部の夢解析 一番分かりやすい表象が、粉川警部と彼が見ていた夢だったと…
© 2006 Madhouse, Inc. and Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc.「ガンダム 水星の魔女」─同じ宙の下、共に祝福される道─ 感想と考察
「水星の魔女」が示した現代の革命 この水星の魔女は「理想だけではなく現実を受け止めながら、当事者として世界に関わっていけるように…」というニカやスレッタを中心とした軸と、「共に手を取り合うことでこそ、祝福や平和を得られる」という登場人物全員を巻き込んでいた軸があったように思う。その軸は…
© 創通・サンライズ・MBS「トップをねらえ2!」─人類を導く、ノノという星─ 感想と考察
#1 お姉さまと呼ばせてください! オタクコテコテな1話。 宇宙パイロットになりたいノノだけど、彼女の信じる努力と根性、そういうのは要らないとラルクに言われてしまう。でも、襲い来る宇宙怪獣をノノが両断する。 少しはトップレスに近づけたかな? #2 お姉さまなんかになりたくない トップレスがみんなを守…
©2003 GAINAX/TOP2委員会「PSYCHO-PASS PROVIDENCE」─神を殺した常守朱、その涙の意味─ 感想と考察
シビュラシステムによって、法律は不要になるだろうか?それが今回の問いであり、議題だった。 神の視座から愚かな人間たちに絶対的な裁定を下すAI、それがシビュラシステム。究極の客観性を携えたその支配システムは、私たちに汚れた人間の主観を一切排した答えをもたらしてくれる。その真実に疑いの余地はない。しかし…
©サイコパス製作委員会「PSYCHO-PASS 3期」─たった一つの正義ではない、善悪の価値の意味─ 感想と考察
第4話 コロッセオの政争 認知不可、脳が楽をしたい悩みたくないという休みたがることを指すその言葉。 その脳の、人の思考の働きを利用して、外部から大衆の心理をコントロールしようとするのが小宮カリナの裏に潜む正体・AIのマカリナだった。そのAIが人間を誘導することで、人間に思考を放棄させることを促し、選…
©サイコパス製作委員会「プリンセス・プリンシパルCH 3章」─王女様の優しき信念は砕け散る─ 感想と考察
プリンセスは決断を迫られる。ノルマンディー公に付くのか、アーカム公・リチャードに付くのか。王室内の苛烈なダイナミクスを前にしても、彼女は己の優しき正義と責任感のために道を選びきれなかった。 問われているのは、プリンセスが実際的にどう立ち振る舞うか以上に、優しいだけじゃない強さを貫けるかということのよ…
© Princess Principal Film Project「AKIRA」─万人に眠りし反逆の本能─ 感想と考察
欲望の果実 戦後30年を経て、ディストピアと化したネオ東京。そこは政治家と資本家の身の丈を超えた欲望によって社会は熟れきっていた。そして、もはや腐りかけの果実では、その内に溜め込んだ人々の抑圧された叫びの制御に亀裂が生まれていた。武力による治安統制や民を搾取する税制改革に具現化した現状の社会秩序を崩…
©アキラ製作委員会「プリマドール」─機械の心にも宿る愛─ 感想と考察
まだ戦争の憎しみは燻り哀しみの涙の跡が残るものの平和で長閑な世界、人々は自律人形《オートマタ》と共に生きている。彼女たちは身体は機械だけど、人と同じように感情を持ち、時に喜んだり怒ったり哀しんだり楽しさをその心に感じながら暮らしている。 この物語で描かれる機械人形の日常や困難の道のりのいたるところに…
©VISUAL ARTS / Key / BAS・プリマドール製作委員会「僕愛・君愛」─僕/君がどこにいても想い続ける─ 感想と考察
ハヤカワ文庫原作らしく本格的なSFという印象が強く残ったロマンスだった。 特に「君愛」はSF世界の上で繰り広げられるロマンスで、「僕愛」はロマンスの描写も含めてSF世界を表現しているという印象だった。それぞれをSFとロマンスどちらなのかと言い切ってしまえば、「君愛」はロマンスで「僕愛」はSFだった。…
©2022「僕愛」「君愛」製作委員会「PSYCHO-PASS 1期」─自分を生きる責任─ 感想と考察
平和で穏やかな日常や最適化された生活という普段の努力なしには手にできないものを当たり前の産物だと思い込んだ社会、それはシビュラシステムという神に与えられものであり、決して人類の社会ではない。 何が必要で、何が不要なのか。自分が何を成せばいいのか、誰が社会を害し得るのか。そんな煩わしいことを考えなくて…