音楽
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「トラペジウム」─悪夢を美化し、エゴを肯定する─ 感想と考察
本気でずる賢い 私も輝くアイドルになりたいと夢を抱く東ゆうは「夢で終わらせたくないから、現実にする」と宣言するように、夢に対して抜かりがない。それはつまり、野心的で現実的で計算高いということ。だからこそ彼女は夢を逆算して、まずはアイドルを目指すための仲間を、私を輝かせてくれるメンバーを集めていた。 …
©2024「トラペジウム」製作委員会「夜のクラゲは泳げない」─青春は痛くて、輝いていて─ 感想と考察
第1話「夜のクラゲ」 本音を言って否定されることを怖がる。そんな私が光月まひるで、量産型女子を生きる将来はつまらない大人になるもんだと思ってた。でも、そうはなりたくない。そんな何者かになりたい私、それが光月ヨルとして映し出されていた。 だけど、幼い頃にイラストを描いていたヨルは、せっかく壁画に選ばれ…
©JELEE/「夜のクラゲは泳げない」製作委員会「MyGO!!!!!」─ポピパには救えない弱さを、迷子は拾ってくれた─ 感想と考察
バンドリの挑戦的な新シリーズ『It’s MyGO!!!!!』は、あまりにも衝撃的であり、今までのキラキラしたバンドリの世界はどこにもなかった。 だけど、荒んだ人間関係の中でもがきながら、「迷子でも進む」をスローガンになんとか一緒に繋がっていようとする迷子たちは、誰もが抱える弱さに余すとこなく寄り添っ…
©BanG Dream! Project「響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト」─優しいだけじゃない大前新部長─ 感想と考察
新部長・大前久美子 ユニットごとのオーディションで挑むアンサンブルコンテスト。初手で麗奈は「なぁなぁで済ませるのはキラい」と言い切っていた。 一方で、久美子は部長として部内のバランスを取るためにも、どこかふわふわと優柔不断そうな姿にも見えるようだった。 もちろん、久美子にもその自覚はあって、かつての…
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会「ブルージャイアント」─存在が光るから、その音色に惹かれる─ 感想と考察
ジャズの音色とジャズにかける思い。そんな具体的な形を持たないものが、はっきりと目に見える程の爆発を描き出す。そんな物語がこのアニメだった。 信念と存在が宿るサックス 貫く自分の思いと信念、そして光る存在感と人を虜にする魅力。解き放たれる覇気や気力、生命力といった強さ。それこそが宮本大のサックスが奏で…
©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会「ルミナスウィッチーズ」─歌で、世界も想いも繋ぐ─ 感想と考察
「人と人との繋がりこそが力をくれる」ということを深く深く感じた。そして、1話から12話までのエピソードが一繋ぎに繋がった時、ルミナスウィッチーズたちの成長と旅路がいっそう輝きを放っていた。 同じ空の下、どこまでも越えて繋がる想い この物語は常に「遠い距離を越えて繋がる想い」を描いていた。特にセンチメ…
©2021 島田フミカネ・KADOKAWA/連盟空軍航空魔法音楽隊「犬王」─魂の叫びは、友有の存在証明─ 感想と考察
今は昔、奪われて失われた者たちの物語 犬王と友有は無念のうちに終えた平家の物語を歌うことで、彼らの存在を再び世に示し成仏させていった。 そして、足利義満によって亡き者にされた友有と自らを封じざるを得なかった犬王。この歴史の上からその存在をかき消され、忘れ去られてしまった2人が確かに存在し一世を風靡し…
「ラブライブ!虹ヶ咲2期」─ステージの上にあなたを連れて行くトキメキ─ 感想と考察
自分が主役になるなんて考えたこともなかった。そんなあなたがトキメキに魅せられて、輝くそれに手を伸ばしてもいいんだよと勇気と情熱をくれる。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の物語の後半を表すには、まさにそんな言葉がぴったりだと思う。 そして、彼女たちの生き様に胸を打ち震わされて流した涙の向こうには七色の…
「劇場版マクロスΔ絶対LIVE」─絶対諦めない、絶対の歌い様─ 感想と考察
どんな困難が立ちはだかっても、自分の生き方を諦めたくない。全力で生きて、全力で誰かを守る歌を、誰かを愛する歌を刻み付けたい。 林檎の花のように彼女に残された時間は短いけれど、その中で悔いのないように最高に幸せだったって言えるようにめいいっぱい咲き誇りたいってフレイアの叫びが胸に響いた。 林檎の花は一…
「マクロスΔ激情のワルキューレ」─本編を越えた"激情版"総集編─ 感想と考察
魂込めて歌う激情 歌を歌いたい、歌うことが生きる意味。 存在証明的なこの激情を絶唱して、立ちはだかる壁にぶつけていくワルキューレの姿が単純だけど熱くて胸に響いた。 そして、メッサーが命がけでワルキューレを守る姿やワルキューレたちが歌で届けてくれる魂や覚悟は、言葉にならないそのままの想いが伝わってきて…