葛藤
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「86-エイティシックス-」─孤独の自己犠牲と自己嫌悪─ 感想と考察
虐げられし者の倫理 満ち足りた者からの慈悲はエイティシックスの倫理観や信念には受け入れられないというジレンマに苛まされ続ける物語だった。 誰かの犠牲の上に立ちながら銃後でのうのうと生きて、最前線での無数の死に無自覚でいることを許せないエイティシックスたちの正義もわかる。わかるけれど、その信念に完全に…
「ワンダーエッグ・プライオリティ」とエディプスコンプレックスとフロイト哲学 考察
エディプス・コンプレックスについて まず、エディプス期に入る前の子どもは父親よりも母親に愛着、すなわちリビドー(対象への欲動)を向ける。次に、エディプス期に入ると同性の親を敵視し、異性の親により惹かれるようになる。男児の場合は、同性の親(父親)による無意識の去勢不安に脅かされて、異性の親(母親)との…
「ロード・エルメロイ二世 特別編」─大人になれない少年を導く魔術と内省─ 感想と考察
「ウェイバーと同窓会と幻灯機」 見るべき時期の定められた作品というものは少なからずしてあると思うのだけど、2022年の1月10日、人生で20回目の成人の日というのはまさしくこの物語を見るための日であったと思う。 あらすじ ある日、時計塔の同窓会の報せがロード・エルメロイII世の許に届くところからこの…
「ミモザの告白 1巻」─みんな正しいのに、全てが間違ってしまった─ 感想と考察
男だけど女の子になりたくて、そして主人公のことが好きな幼馴染。女の子になってしまった彼(女)のことが好きな、主人公の好きな女の子。 この二人に挟まれながら、他人や自分自身と価値観や人間関係を削り合う主人公咲馬の、葛藤と感情の鮮烈な火花の散るヒューマンドラマ。 咲馬はきっと自分という偏見を通してしか人…
「色づく世界の明日から」─現実が嫉妬する程、美しい世界─ 感想と考察
色鮮やかで現実が嫉妬する程に美しく描かれた世界に、見ていてどこか羨ましさすら込み上げてくる感覚すらあった。 そして、その世界を白黒にしか見えない瞳美のどこか靄のかかったような表情やその奥にある心の内に感傷的な魅力を感じた。 1人過去に投げ出された孤独で何もわからず怯える瞳美だったが、すぐ写真美術部の…
「ワンダーエッグ・プライオリティ 1-6話」の感想と考察と洞察のまとめと整理
ep.1 子供の領分 最初は友達なんていないと言っていたアイ、小糸の亡き跡だからそう言ったのかもしれないけれど、アイが小糸の存在と向き合うことから逃げていたようにも思える。無数のミテミヌフリに追い回される西城くるみをわが身愛おしさにただ「ごめん…」見送ってしまったこと、くるみの「親友は…