夏
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「天気の子」─この世界からキミを守るもの─ 感想と考察
何かが欠けた街、東京 東京の街は、この世界は人の手によってあまりに人のものからかけ離れた姿になってしまった。 建物も、インフラも、そこに生きる人々も全てが効率と利益のために整然とならされてしまった都市という空間は、人に優しくない。人の生活のために目まぐるしく変貌を遂げ続ける街は、そうなればなるほどに…
©2019「天気の子」製作委員会「夏へのトンネル、さよならの出口」─二人だけの未来─ 感想と考察
外と中で異なる時間の進み方をするウラシマトンネル。 これは過去に囚われた花城と塔野を永遠にその過去に閉じ込めるもののように見えていた。だけど、二人を結びつけもしたこのトンネルは、それぞれの捨てきれなかった過去と向き合わせ、そして未来へと送り出すための存在だったのかもしれない。 そして、その未来はただ…
Ⓒ2022 八目迷・小学館/映画『夏へのトンネル、さよならの出口』製作委員会「雨を告げる漂流団地」─朽ちかけの思い出に焦がれる─ 感想と考察
団地というのはまさに文字通り、みんなが一緒に寄り添い合って共にある場所。 だけど、いつかは時の流れの中で朽ちていく。 航佑と夏芽がかつて一緒に暮らした団地もまたそんな風に過去の遺物となって取り壊されることになっていた。そんな団地に満ちていた古い部屋独特の落ち着く空気が、捨てられない思い出を抱えた夏芽…
©コロリド・ツインエンジンパートナーズ「夏へのトンネル、さよならの出口」─過去を振り切って、未来へ届けて─ 感想と考察
自己承認の行き違い。否定された自分を他人の承認で埋めようとするか、自己否定で誤魔化そうとするか。返らない過去で立ち止まるのか、傷つきながら未来へ進み続けるのか。そんなアイデンティティを探るような青春の恋の一遍。 失ったもの、欠けているもの 妹を失った少年・塔野カオルと、祖父を失った少女・花城あんず …
「ペンギン・ハイウェイ」─少年が大人になる夏─ 感想と考察
お姉さんがいた。 そのお姉さんは少年にとっての憧れ。だけど、お姉さんは大人で、少年は子ども。 だけど、愛の力はそんな壁なんてものともしない。少年は精いっぱい背伸びする。賢くなってえらくなる。それが「大人」だから。 そんな風に少年が必死に健気にお姉さんを追いかけて、できる限りの背伸びをしてお姉さんに見…
「はるかなレシーブ」─アツさ真っ盛りの水着スポ根アニメ─ 感想と考察
怒涛の全話水着回の、汗も滴る程にアツい真夏を突っ走るようなスポ根アニメ ビーチバレーの特徴の一つである二人のペアというところに焦点が当てられることの多いこの物語の、かけがえのないバディと共にビーチバレーに対する様々な葛藤を乗り越えていく姿はとても眩しくて、アツく、時に感動的だった。さらに、ペアとの絆…
「サイダーのように言葉が湧き上がる」─夏のノスタルジア─ 感想と考察
甘酸っぱくてもどかしい夏のノスタルジア 夏祭りで踊る音頭の音色に懐かしさに思わず泣き出してしまうキャラクターがいるが、この青春ロマンス物語とはこういうことなんだと思う。 思春期のうちの夏だったり恋というのは、この物語の中で大きな存在感を持つ俳句やレコードに象徴されるようにどこかノスタルジーに包まれた…