ローファンタジー
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「天気の子」─この世界からキミを守るもの─ 感想と考察
何かが欠けた街、東京 東京の街は、この世界は人の手によってあまりに人のものからかけ離れた姿になってしまった。 建物も、インフラも、そこに生きる人々も全てが効率と利益のために整然とならされてしまった都市という空間は、人に優しくない。人の生活のために目まぐるしく変貌を遂げ続ける街は、そうなればなるほどに…
©2019「天気の子」製作委員会「君の名は」─運命を紡ぐ結び《ムスビ》の意味─ 感想と考察
二人の運命 誰と繋がっているのか、どこと繋がっているのか、本当は夢や幻なんかじゃないかと思ってしまうくらいに覚束ない記憶。だけど、確かに繋がっていることを感じさせる「結び」がある。 ある日、三葉と瀧は遠く離れた世界を越えて、出会った。あり得ないほど遠い遠い世界を跨いで、溶け合うように交じ合った。 2…
©2016「君の名は。」製作委員会「夏へのトンネル、さよならの出口」─二人だけの未来─ 感想と考察
外と中で異なる時間の進み方をするウラシマトンネル。 これは過去に囚われた花城と塔野を永遠にその過去に閉じ込めるもののように見えていた。だけど、二人を結びつけもしたこのトンネルは、それぞれの捨てきれなかった過去と向き合わせ、そして未来へと送り出すための存在だったのかもしれない。 そして、その未来はただ…
Ⓒ2022 八目迷・小学館/映画『夏へのトンネル、さよならの出口』製作委員会「夏へのトンネル、さよならの出口」─過去を振り切って、未来へ届けて─ 感想と考察
自己承認の行き違い。否定された自分を他人の承認で埋めようとするか、自己否定で誤魔化そうとするか。返らない過去で立ち止まるのか、傷つきながら未来へ進み続けるのか。そんなアイデンティティを探るような青春の恋の一遍。 失ったもの、欠けているもの 妹を失った少年・塔野カオルと、祖父を失った少女・花城あんず …
「ペンギン・ハイウェイ」─少年が大人になる夏─ 感想と考察
お姉さんがいた。 そのお姉さんは少年にとっての憧れ。だけど、お姉さんは大人で、少年は子ども。 だけど、愛の力はそんな壁なんてものともしない。少年は精いっぱい背伸びする。賢くなってえらくなる。それが「大人」だから。 そんな風に少年が必死に健気にお姉さんを追いかけて、できる限りの背伸びをしてお姉さんに見…
「ワンダーエッグ・プライオリティ」とエディプスコンプレックスとフロイト哲学 考察
エディプス・コンプレックスについて まず、エディプス期に入る前の子どもは父親よりも母親に愛着、すなわちリビドー(対象への欲動)を向ける。次に、エディプス期に入ると同性の親を敵視し、異性の親により惹かれるようになる。男児の場合は、同性の親(父親)による無意識の去勢不安に脅かされて、異性の親(母親)との…