ローファンタジー
私を魅了する
の物語、もっと知りたい─-
「16bitセンセーション」 ─コノハの本当の夢─ 感想と考察 8~10話
第8話「エコー」 「午後の天使たち」を開封して、1985年にタイムリープしてきた守。そこは、エコー1とエコー2のいるエコーソフトというゲーム会社だった。 そして、そこでなんだかんだと美少女ゲーム制作のアルバイトをすることになった守だけど、ある日彼はエコー1から「想像力とは何か?」と問われる。もちろん…
©若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT「16bitセンセーション」─コノハとエロゲが教えてくれた夢の意味─ 感想と考察 1~7話
第1話「タイムリープしちゃったぁ~!?」 「夢を見たい!!」 まず示されたのは、そんな物語のテーマだった。 2020年、斜陽のエロゲ会社で働くコノハの前には夢なんて欠片もなく、ただあるのは明日明後日という現実のみ。そんな日常はひたすらにつまらなくて、未来もなく、夢を見る余裕すらないようだった。 だか…
©若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT「アリスとテレスのまぼろし工場」─心と願いと現実の三角関係─ 感想と考察
心の弱さの逃げ場がまぼろしであり、ムラ社会であって この物語の舞台となる見伏市、そこは所謂「ムラ」だった。製鉄工場の事故をきっかけに外へ出る手段を失い、閉鎖感と停滞感だけで満たされた世界。そんな街の異常は神なる山を削った罰であり、変わらない世界と同じように人々は自分たちもまた変わってはいけないという…
© 新見伏製鐵保存会「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」─暗く黒い過去に見出す白光─ 感想と考察
この世で最も黒い絵に始まったこの物語が暴いたのは、巻き込まれた人物たちの黒く暗い過去。そして、仁左衛門と奈々瀬の暗く悲しい悲劇だった。 だがしかし、そんな救いのないような話であっただろうか?その余韻には確かな光があったように思う。 たとえば、亡き父を姿をルーブルに見つけ、そこに自らを重ねた編集の泉が…
©2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 ©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社「涼宮ハルヒの消失」─長門とキョンが示した愉快な日常セカイ─ 感想と考察
長門とキョンが教えてくれたのは、何の変哲もないこの日常こそが、一瞬一瞬を噛みしめなければいけない非日常なんだということだったように思う。 非日常な日常は日常だけど非日常 クリスマスを目前としたキョンの日常は、今日も非日常だった。ハルヒがクリスマスパーティーをSOS団部室で行う!と宣言して、団員たちは…
©2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団「かがみの孤城」─あなたが大人になった未来で待ってる─ 感想と考察
自分の心に閉じこもる 安西こころは不登校。そんな彼女の「行きたくないじゃなくて、行けない」を母親さえも理解してくれない。そんな全てに息が詰まるような感覚に自分の居場所なんかどこにもなくて孤独なように思えてしまう。そんな毎日だった。 しかしある日、突然光りだした部屋の鏡。そこに誘われると中には城が広が…
©2022「かがみの孤城」製作委員会「千年女優」─初恋に溶かされた心と世界─ 感想と考察
かつて大女優として一世を風靡した藤原千代子。彼女が語る「恋する少女」としての半生と「恋する女性を演じ続けた女優」としての半生。そこに映し出される実態の千代子と虚構の千代子は曖昧に溶け合い、「届かぬ恋を追い続ける感情」に囚われた千代子の内面に広がる盲目的な愛に陶酔した世界観を描き出す。 永遠の刹那と、…
©「千年女優」製作委員会「すずめの戸締まり」─人生という旅、道標─ 感想と考察
旅の道標、至るべき運命 扉の中の世界で幼いすずめが見た人が未来のすずめで、そのすずめがすずめに椅子を渡していたということに不思議な納得感が強く残った。それを最初は上手く言葉にできなかったけど、でも自分の人生の実感と重ねて振り返ってみると「そうだよなぁ…」と、すとんと腑に落ちるものがあった。 こうなり…
©2022「すずめの戸締まり」製作委員会「天気の子」─この世界からキミを守るもの─ 感想と考察
何かが欠けた街、東京 東京の街は、この世界は人の手によってあまりに人のものからかけ離れた姿になってしまった。 建物も、インフラも、そこに生きる人々も全てが効率と利益のために整然とならされてしまった都市という空間は、人に優しくない。人の生活のために目まぐるしく変貌を遂げ続ける街は、そうなればなるほどに…
©2019「天気の子」製作委員会「君の名は」─運命を紡ぐ結び《ムスビ》の意味─ 感想と考察
二人の運命 誰と繋がっているのか、どこと繋がっているのか、本当は夢や幻なんかじゃないかと思ってしまうくらいに覚束ない記憶。だけど、確かに繋がっていることを感じさせる「結び」がある。 ある日、三葉と瀧は遠く離れた世界を越えて、出会った。あり得ないほど遠い遠い世界を跨いで、溶け合うように交じ合った。 2…