映画・劇場版
人生で大切なことは、いつも
が教えてくれた─-
「ハーモニー」「虐殺器官」─伊藤計劃の物語─ 感想と考察
ハーモニー 生きることを絶対としたユートピア/ディストピアな世界観の中で善悪を生と死に表象した話だと思っていたら理性と野性の話だった。善か悪か、理性か感情かという二元的な突き詰め方で物語を終始描いていたように見えていたが、最後の場面では複合的な、あるいは感情に寄り添った結末のような印象があった。 生…
「プリンセス・プリンシパルCH 1章」─スパイとは何者なのか─ 感想と考察
スパイとは何者なのか 退屈な貴族という型から解放されたウィンストンが収まったスパイという型はあまりにも不安定だった。いくつも付け替え、時には重ねて被る仮面の下の本当の自分はいつしか曖昧なものになってしまった。 それでも、侍従長としてシャーロットに接してきた彼はたとえ唯一でなくとも一つの本当のウィンス…
「ジョゼと虎と魚たち」を薦める感想と考察
この記事はクソじゃないアニメ Advent Calendar 2020の参加記事です。 この記事のアドベントカレンダー担当日である12月25日劇場公開の『ジョゼと虎と魚たち』の紹介記事です。試写会で鑑賞済みなので感想も織り交ぜつつ、ストーリーの核心的なネタバレは避けながら予告PVに少し言い足したくら…
「鬼滅の刃 無限列車編」 感想と考察
良くも悪くも手に汗を握らされる展開 下弦の壱の鬼のギミックを念入りに張り巡らせた戦闘は、あっけなく事果てたかと思ったら想像を越えていく戦い方を仕組んでいて、悪い意味でドキドキさせられつつもそれが楽しかった。 そういう意味では、無限列車編が無限列車だけで終わらなかった展開も想像と期待を越えていくもので…
「劇場版ヴァイエヴァ」─少佐と彼女の心の扉─ 感想と考察
舞台挨拶で監督が言っていたように、この映画はとても丁寧で緻密な作品で何回見ても新しい発見と感想があった。ここではそれらの考察?のような感想とはちょっと違う雑感を纏める。 この記事を書いた時点で3回この作品を見ているが、シリーズの積み重ねを経た上でのサプライズ的な展開が感動の増幅装置の1つでもあるので…
「劇場版ヴァイエヴァ」─描き、語る映像美─ 感想と考察
描き語るアニメ 今作で一番京アニすごい!というかもはや感服した部分に、絵によって描き出されるキャラクターの内なる心情があった。これを感じた場面はいくつかあったが、とりわけこれを感じたのはヴァイオレットとホッジンズがギルベルトの家に押しかけた場面だった。ここでギルベルトは会いたいというヴァイオレットを…